沈まぬ太陽

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

やめられない、とまらない『沈まぬ太陽』♪
やるべき事も最小限(ともすれば、やらない。。)に留めて、読みふけってしまいました。




日本航空の腐敗した体制に立ち向かう一人の組合員の企業生活に焦点をあてて、描いた作品で、全5巻です。


彼女の作品は、フィクションではなく、ノンフィクションに限りなく近い小説で、残酷なまでの展開なんだけれども、これが現実だったんだ、と思うと、背筋が凍る。


日航のお家騒動は、ゴシップ記事でも話題になっていた問題なので、体制に問題があることは、知っていたけれども、ここまで終わってる会社だと思わなかった。
今、西松氏が代表取締役社長になって、やっと本格的に再建活動に取り組み始めたように見えるけれども、ここまで巨大化した負債だらけの会社を建て直せるのだろうか。。。


この小説のままの会社だとしたら、もうJALに乗りたくない。
半官半民だったということもあって、政治家の資金集めの企業としていいように利用されて、こうなってしまった要因も大きいけれど、華やかなエリート企業というイメージとは、程遠い企業意識の低い会社だった。


山崎豊子さんの作品なので、もちろん読み応えあり。
会社、国家ぐるみの悪質、且つ、卑劣なやり方に果敢に立ち向かった主人公が実在する人物だということに非常に感動を覚えた。
彼女の他の作品である『白い巨塔』『華麗なる一族』『女の勲章』よりは、『大地の子』よりの書き方だった。これぞ社会派小説!といった感じってことです。