マイケル・ムーア−SiCKO(シッコ)

監督も成人病じゃ・・・


偶然観る事になったマイケル・ムーア監督の『SiCKO』。これが物凄く良かったです!!
マイケル・ムーアと言えば、ブッシュ大統領を皮肉った『華氏911』で有名ですが、今回の映画のテーマは、アメリカの医療問題がテーマ。
私も全然知らなかったのですが、この映画を観て、如何にアメリカの医療制度が劣悪なものかが分かりました。劣悪というより、もはや冗談でしょと言いたくなるような制度なんです。


まず、アメリカの医療制度は、国民皆保険ではないんです。なので、各自が保険会社に入って、病気になれば、保険会社から支払ってもらう仕組み。
が、保険会社は、すごく軽度な病気にかかっていても、既往症だ!と難癖をつけて、なかなか入会を認めません。もっとひどいのが、保険料は支払わせておいて、いざ、支払いの時になると、書類上の不備や言いがかりをつけて、支払わないのです。


たとえば、20歳で癌になった女性に対し、癌の訳がない。なぜなら、年齢が若いから。診断書があっても認めないんです。このことがなぜ違法にならないかは不明。


ある例では、男性が作業中に誤って、薬指と中指の先を切り落としてしまいました。中指をくっつけるのに788万。薬指は、200万弱。どちらの指をくっつけますか?お金が無かったその男性は、薬指だけ、くっつけてもらって、中指は諦めていました。


この例は、ホントに1部で、こういったウソのような話が幾つも紹介されます。
その為、アメリカ人の中には、医療費が無料のカナダで治療を受ける為にカナダ人と偽装結婚をする人もいます。


医療費が無料の国は、カナダだけじゃありません。イギリスやフランスも医療費は、無料です。
無料とまでは、いかなくても、なぜ国民が享受すべき保証を受けられないのだろう。なぜ、アメリカのような先進国で、この医療制度に不満を抱きながらも、国民は、我慢しているのだろうと、ビックリしました。


アメリカの各年代の死亡率は、どの先進国よりも高いらしいです。
最先端の技術がありながらも、結局支払いが出来ない為に、みな何の治療も受けれないからです。この映画を観て、アメリカの国民が立ち上がり、アメリカの医療制度が改正されることを本当に願いました。


アメリカのいいなりの日本。近い将来、日本にもこの医療制度が導入される日がくる可能性があります。
ぜひ、この映画を観て欲しいです!