11月の読書



作家の村上春樹が開いていた「村上朝日堂ホームページ」に寄せられた読者との交換メールを新たに編集してまとめた一冊。


数々のヒット小説を世に送り出し、コアなファンの多い村上春樹氏。
私がよく遊びに行くBLOGの読者もかなりの村上ファンだった為、興味を持ち読んでみました。
ちょっと前に話題になった「生協の白石さん」みたいな感じ。
時系列的には、村上さんのこの本のが元祖になるのでしょうか。
世間では賞賛されている村上氏ですが、実は、私はどうも彼の作品に共感を持てない読者。
中学生の頃、学校帰りに本屋で読破した「ノルウェーの森」。
何日も足を棒にして読んだのに、さっぱり良さが分かりませんでした。
社会人1年目の時、村上ファンの友人からの強い勧めで読んだ「ねじまき鳥クロニクル」。
上、中、下まで読んで、あの結末。2度と彼の作品は読まないと決意しました。


そんな状態にあった私ですが、この本は、なかなか面白かったです。
作者の考え方や暮らしぶりなどが少し垣間見られ、ちょっと近づける感じ。
どうも機嫌がいい時に締めに彼が使っている「チャオ」がすごく気に入りました。


テロリストのパラソル (講談社文庫)

テロリストのパラソル (講談社文庫)



友人の薦めと「史上初の乱歩賞&直木賞W受賞作」というのに惹かれて読んでみました。
「おもしろいけど、ハッピーエンドすぎるねん!」と言ってた友人の言葉どおり、もう一つ捻りが足りない感じ。
受賞時の10年前には斬新なタッチだったのでしょうが、今読むと、ちょっと安直な感じ。
それは、読者側の問題で仕方ないことなのですが。
軽く読むのには、面白いですが、期待して読むと物足りない一冊です。


内容(「BOOK」データベースより)
アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し二十年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。
ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た真実とは…。史上初の第41回江戸川乱歩賞・第114回直木賞受賞作。