5月の読書

女帝―エンペラー (ハヤカワ文庫NV)

女帝―エンペラー (ハヤカワ文庫NV)

中国の歴史物が好きな私。時間が無かったので、カバーを見て即買いしてしまった一冊。
読み終えた後に知りましたが、チャン・ツィイー主演で映画化されているそう。やけにカーバの人、美しいなと思いきやなるほどチャン・ツィイーだったのね。

ストーリーは、「・・・」でした。
古代中国の王制時代、皇帝が謎の死をとげ、皇帝の弟が即座に王座に着いた。新皇帝は、権力と共に恋焦がれていた兄王の妻、ワンを手に入れる。新皇帝は、亡き兄の一人息子であり、宮中を離れ、芸に精進していたウールアンに刺客を送る。類稀なる美しさと聡明さを兼ね備えたワンは、ウールアンを守る為、また復讐の為、新皇帝の命を奪うチャンスを狙いながら、世界で一番憎い男(皇帝)に仕える。

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

脳へのアクセス方法次第で、人間の記憶の操作は可能か、というテーマを研究する主人公が、同じ研究員の親友と三角関係に陥る。偽りの記憶と真実が交錯する、「パラレルワールド」の中、主人公崇は、本当の過去を取り戻していく。

現実世界と交互にパラレルワールドが描かれ、何が真実なのか推理していくのは、なかなか楽しく、意表をつくラストだった。(このラストは、あまり好みではないが)
おもしろいが、SF要素が強くなりすぎて、共感できなかった。それにしても東野圭吾は、『記憶』をテーマにした作品が多い気がする。「分身」「変身」「秘密」など。きっと人間の脳に対して、とっても興味を持ってるんだろうなぁ。

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

京極夏彦の小説は、初めて読みましたが、これがデビュー作とは思えないほどの読みごたえ。結末まで読むとなーんだ、そんなことだったの、と思いますが、それでも全然買って損したとは思わないほど、楽しめる。
読み手のイマジネーションを激しくかりたたせる文体は、かなりレベルが高く、私は、この小説を読みながら、怪談話やホラー映画を見た時と同じくらい怖い思いをしました。
もう1冊くらい、この著者の作品を読んでみたいところですが、怖い思いするのが悩みどころです。
この作品も映画化されているようです。